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阪本店長のウルトラ通勤日記 Vol.10 〜前編〜
連載第10回記念 1200km日帰りツーリングIN岩手
朝晩だいぶ冷え込んできましたね。バイク乗りにはそろそろ厳しい季節がやってきます。
ヘルメットの中が蒸れるほど汗をかいていた夏が懐かしく感じる今日この頃です。

ウルトラ日記もいよいよ今回で第10回を数えます。HPだけではなくグッドウッドニュースにも掲載されたものがあるので全部見ている人は少ないかも。
最近は「店長、このあいだの読んだよ」とか「楽しみにしているよ」とかずいぶん声をかけていただく機会が増えました。
お世辞でもそんな励ましのお言葉はうれしいものです。

さて、今回は第10回記念特別企画!?として前編と後編に分けての掲載となります。きままに書き留めた長い文章になりますが、どうぞ最後までよろしかったらおつきあいください。


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年内にはなんとかやり遂げたいと思っていた日帰り1200kmツーリングですがとうとうやってしまいましたぞ!
妻や家族への後ろめたさもなんのその。おまけに今回は、まわりのスタッフにも「今夜、やるぞ!」と言ってしまったものだから「てんちょおー、歳考えろよ。」とか「マジっすかぁー!」とか言われまくりました。
しかし、思いつきでスタートした前回の900kmツーリングと違い今回は、少々考えての計画。
体調、天候、バイクの状態、サイフの中身(これが一番問題!?)すべての条件が揃わないと決行不可能な距離なので、行こうと決めた当日は昼頃から仕事も手につかずソワソワしどうし。

さて、そんな想いで決めた600km先のゴールとは?
そうだ北だ、北へ行こう。青森まで一気に駆け抜けるか。それだと1500kmくらいになってしまうな。遠すぎないか?それとも我が故郷岩手県にするか?
そんなこんなでインターネットの天気予報を見ると途中通り過ぎる栃木、福島、宮城、そして岩手まで傘マークは無し。これだけの距離で天候が安定しているのは珍しい。しかし、秋田、青森方面は傘マークがちらほら。それに気温も重要だ。寒いとそれだけでくじけてしまいそうなので、日中の予想最高気温が23度以上だと安心かな。あとは、気持ちだけ。とりあえず最終目的地が決まらぬまま出発することにしました。

10月初旬のとある深夜12時。残業を終え、たかぶる気持ちを抑えてウルトラのエンジンを始動。まずは高速に乗る前にと腹ごしらえ。
コンビニに立ち寄りカレーを食べる。もう、興奮しているので何を食べてもウマイ。外環道に入りそのまま東北道浦和料金所を目指す。

浦和の料金所でチケットを受け取ると「うーん、ほんとに行くのかよ。まだ、今なら引き返せるぞ。」とこの期に及んでグチグチつぶやく声と「何言ってんだ、こんなチャンスは滅多にないぞ。行かなきゃ男じゃない!」と叫ぶもう一人の自分。その声に押されるようにアクセルを持つ右手が自然に動いた。「よっしゃ、行くか!」

深夜の高速道路は、大型トラックばかりだ。ものすごい勢いで抜かれるので緊張のしどおし。おかげで眠気も吹っ飛ぶ。闇の中に浮かぶテールライトを頼りに走るが時折前にも後ろにも車がいなくなり前方を照らすウルトラのヘッドライトの明かりだけとなる。
空を見上げると雲の切れ間から星も見え隠れしている。都心から1時間も走ればこんなきれいな星を見ることができるのか。気分がのってきたぞ。

最初の休憩は、那須高原SA。時計を見ると午前3時。スタートから3時間が経過していました。途中、道路上の温度表示は12度℃を指していた。予想していたより寒い。「こんなことならもっと厚着してくれば良かった」と早くも弱気な心境になる。
私の場合、サービスエリアといえば定番は蕎麦。前回900kmの時もおいしい冷やしそばを紹介したように私は蕎麦が大好きです。ここではとにかく体が冷えたのであったかい蕎麦を注文。寒さと空腹のため一気に汁まで食べ干す。と、アレレ途端に睡魔が。

ここで私の特技?を紹介。なんと私は、どんな体勢でも瞬時に眠りにつくことができ、しかも椅子に座ったような苦しい体勢にも関わらず2時間以上は熟睡できるという便利な体質なのである。眠ることには絶対の自信を持っているのです。(こんなこと自慢になりませんが)例えば会議中なんてあっという間に・・・グゥー。
おっといけない社長にこれを見られたらマズイ。会議中は眠そうにしていますが、寝ておりません。信じて!

話がそれましたがそんな状況でテーブルに伏せて眠ること2時間半。ふと目が覚めると午前5時半になっておりました。そろそろ起きないとまだ栃木では先が長いぞ。

空も白々と明けひんやりした空気がなんとも心地いい。しかし、走り出すとすごい霧。ウルトラのラジオをつけると天気予報で濃霧の注意を呼びかけている。なるほどまさに俺はその真っ只中を走っているわけだ。幻想的な視界の中をしばらく走り続ける。

そこから約2時間半、午前8時30分岩手県の前沢SAに到着。このへんで東京からの距離は450kmくらいかな。さて、朝ごはんにするか。スナックコーナーのチケット販売機の前でしばしメニューを見て考える。出発前にカレーは食べたし、寝る前に蕎麦も食べたし、さて何がいいかなあと迷っている私の目に飛び込んできたのは、なんじゃこりゃ。「クロケット丼?」
写真がメニューのところに掲げてあるのだが、どうみてもコロッケかメンチカツをどんぶりご飯の上に載せているだけにしか見えない。
いや待てよ、よく見ると間にキャベツが。「これで760円かぁ。高いなあ。なんだろう?これって。」と思いながらそいつを選んでみることにした。

写真を見ていただければわかると思いますが、まさにシンプル。というより貧相。「こりゃ、しまったかなあ。」と思いながらそのコロッケのようなものを口に運んでみると「おおっー、濃厚な味だぁ。」続けてキャベツとご飯も食べてみる。「このソース、なんだべぇ。うんめえ!」
見た目の雰囲気が一変。その味にしびれました。衣の中身は前沢牛をミンチ状にして揚げたもの。
キャベツにかかったソースが絡んで抜群のコンビネーション。意外なおいしさに大満足の朝食でした。それにしても今回のツーリングの最初の写真がこれとは・・・。ああ、しまった「クロケット丼」の名前の意味を聞くのを忘れた。誰か知っている人いる?

「これがクロケット丼だ!!」
腹ごしらえも終わりいよいよコースを決めなければならない。北のほうは思ったより天気が悪い。時間も少々遅れ気味なので岩手県内のコースを選ぶことにする。となると、やはり行き先は、私の故郷釜石かな。青森や秋田はまた来年以降にとっておこう。

(オイオイ、来年もまたやるのか?)

前沢SAをあとに北上江釣子ICを目指す。ICをおりて北上市内に入ったところでふと思い出した。「そういえば、北上にはディーラー会議などでお世話になった佐々木社長のお店があったな。せっかくの機会なのでちょっと顔を出してみるか」ということで国道4号線を走る。「おっ!ここで東京から486kmか。」

「もっといい背景で撮りたかったなあ。」
ICから約10分。目指すは「モトワークス・アイアンロード」。このお店は、以前パチンコ店だったところ。駐車場が広いのにまずビックリ。車が50台くらいは停められそう。

店内に入るとちょうど佐々木社長がおりました。「オハヨウゴザイマース!」。「えっと、どなたでしたっけ?」という顔で一瞬戸惑った表情。
すぐに「ああー、どうしたの、ほんとに来たんだ」と驚きの声。ちょうど朝のコーヒーの時間だったらしく奥に通されて若いスタッフの方々と一緒にコーヒーをいただく。
「まんず、よぐ来たねぇ。何時に出てきたの?」「寒ぐねがった?」など優しい言葉をかけられほっと一息。

元パチンコ店という広い店内を見渡すとHD松戸では見られない旧車が目に入る。地方の場合、古い車両が多いのだそうだ。佐々木社長も個人的には古い車両が好きでご自慢のきれいなパンヘッドが飾ってありました。もちろん現在のツインカムを好きだという佐々木社長。自ら工具を握るだけあって新車でも旧車でも何でも来いといえる頼もしいお店です。

滝田君という若い営業スタッフからも話しかけられ「ありゃりゃあー、どっかで見たことあると思ったらよく雑誌の広告さ載っている人でねえべか?松戸の店長さんですか?」うーん、けっこう私の顔も全国区で知られているようです。「阪本さん、釜石のどこ?」「ええと、知っているかな、野田っていうところが実家ですが」「ああ、知ってる。親戚がいるもの」という超ローカルな話題に花が咲きました。

その後は、地方のディーラーの苦労話など聞かせていただき、首都圏のように人口が多く温暖な地域はハーレーにとって恵まれている環境なんだということを実感しました。でも、心配なのは盗難かな。さすがに岩手で盗難は無いそうです。

「私の隣が佐々木社長さんです。
お世話になりました。」
北上市をあとに太平洋側を目指し目的地釜石へとウルトラを走らす。
平日の日中なので交通量も少なめ。ちょうど稲刈りの時期だ。稲穂のにおいがたまらない。
子供のころ当たり前のように秋になると嗅いでいた懐かしいにおいだ。そういえば10月という中途半端な季節に釜石に帰ったことがないのでこの時期にこの場所にいること自体25年ぶりのことなのである。黄金色に輝く稲穂の間をそんなことを思いながら走っておりました。

途中に遠野という町があります。全国的には「民話のふるさと」というキャッチフレーズで有名な町です。名所のひとつに「南部曲がりや」いう昔人間と馬が一緒に生活したというかやぶき屋根の家屋があります。その代表的な「千葉家の曲がりや」というところでちょっと一休み。

「近くで見ると迫力あります。
一見の価値あり。」
 
さて、次はいよいよ釜石に入ります。
日帰り1200kmツーリングは、後編へと続きます。
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